[Aunt Hagar’s Blues]Aunt Hagar’s Blues この曲はW・C・ハンディの書いたブルースで、1920年の作品である。といっても厳密には南部ですでに流布していたフォーク・ブルースで、彼が書きとって最初はインストゥルメンタルとして仕上げた。曲名も最初は[Aunt Hagar’s Children]または[Aunt Hagarl’s Children’s Blues]などいくつかあった。
[Baby, Won’t You Please Come Home?]Baby, Won’t You Please Come Home? クラレンス・ウィリアムズの数多く書いたブルースのナンバーのうちの一つで、厳密には形式はブルースではないが、質的には全くブルースである(アメリカでは質的にブルースであるものを全てブルースと呼び、形式にはこだわらない)。
[Basin Street Blues]Basin Street Blues これは日本人にもよく知られている曲だが、ピアニストのスペンサー・ウィリアムズの’28年の作品で、とくに映画やミュージカルとは関係ない。
[Beale Street Blues]Beale Street Blues W・C・ハンディの発表した多くのブルースのうちの一曲で、1916年に出されている。一応作詞曲とも彼に帰属するが、彼がトラディショナル曲を蒐集し編集して仕上げたブルースである。
[Birth of the Blues, The]The Birth of the Blues デスィルヴァ、ブラウン、ヘンダーソンの三人組によってつくられた曲で’26年の【George White Scandals of 1926】に入れられ、舞台ではハリー・リッチマン Harry Richman が歌った。
[Black Coffee]Black Coffee これはソニー・バークの書いた曲にポール・フランスィス・ウェブスターが作詞した’48年の作品で、映画、ミュージカルとは関係ない。ヒット曲と言えるほどではなかったが、時代とともにスタンダード曲になってきた曲である。
[Boogie Woogie Bugle Boy of Company B]Boogie Woogie Bugle Boy of Company B これはドン・レイ作詞、ヒューイ・プリンス作曲で(クレディットでは共作となっているが)1941年の映画『Buck Privates』(Universal)に使われた曲だ。アボット/コステロの日本では〝凸凹珍道中〞と称したコメディ映画の第二作だった。
[Caldonia]Caldonia フリースィ・ムーアが’46年のミュージカル映画『Swing Parade of 1946』に書いた曲で、そのなかではルイ・ジョーダンが歌い演奏した。だが実際にはウディ・ハーマン楽団がファースト・ハード時代の’45年に吹きこんでいるので、書かれたのは少し前のようだ。
[Careless Love]Careless Love 有名なトラディショナルで、作者は不明である。ただし《歌曲大辞典》には1840から1895年ごろのあいだに成立したものと書かれていて、’11年に最初の楽譜が出版されている、とある。
[Carry Me Back to Old Virginny]Carry Me Back to Old Virginny ジェイムズ・アレン・ブランドの書いた曲で、南北戦争後の1878年の作品である。ちょうど解放奴隷が仕事を求めて悪戦苦闘していたときで、当然白人社会は上部の地位や資産を独占していて、黒人に廻される仕事は最低、最下層のものだけであり、こんなことなら奴隷制下の農園で働いていた方がよかったという、新時代の黒人のあいだの世相をいくらか反映している。