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[Begin the Beguine]Begin the Beguine

コウル・ポーターが’35年のミュージカル【Jubilee】のために書いたもので、そこではジューン・ナイト June Knight が歌った。[Night and Day]などとともに彼のラテンリズム曲の代表作の一つだが、なんと108小節もある。ポップソングのなかでは108小節というのは最長かもしれない。脚本のモス・ハート Moss Hart が聴いていて、もう終わったかと思ったらまだ半分くらいのところですごく驚いたという。

[Blues in the Night]Blues in the Night

これはハロルド・アーレンとジョニー・マーサーの名コンビによる曲で、’41年の映画『Hot Nocturne』に入れられる予定だったが、曲のヒットとともに映画名も曲名と同じに変えられ、映画『Blues in the Night』に使われた。この年のアカデミィ主題歌賞にノミネートされたが、賞のほうはジェロウム・カーンの[The Last Time I Saw Paris]に奪われている。

[Body and Soul]Body and Soul

Body and Soul の歌詞と日本語訳 この曲はジョン・グリーンがガートルード・ローレンス Gertrude Lawrence の伴奏ピアニストを務めているときに彼女のためにつくった曲で、ヘイマン(サウア、イートンは違う歌詞に関係あるらしいが不詳)が作詞している。まだ曲ができたばかりのときに彼女はロンドンへ行き、BBC放送でこれを歌ったことからヒットしていった。

[But Beautiful]But Beautiful

これは’48年のボブ・ホウプ Bob Hope とドロスィ・ラムア Dorothy Lamour 主演の映画『Road to Rio』に挿入され、なかでビング・クロズビーが歌った曲で、映画の邦題は『南米珍道中』となっていた。この『Road to…』というロードものが当時はやり、Road to スィンガポール、ザンズィバル、モロッコ、ユートピアとつづいて五作目がこの『リオへの道』で、このあともバリ、ホンコンとつづいたが、『リオへの道』が一番よく当たって、’48年の観客動員数のトップにランクされている。がこの曲[But Beautiful]のほうはアカデミー主題歌賞の候補にもノミネートされていない。

[But Not for Me]But Not for Me

ガーシュウィン兄弟の’30年10月のミュージカル【Girl Crazy】のなかの曲で、今ではもうスタンダード曲としてあまりにも有名だ。兄のアイラの著書にはオリジナル・スコアに書き込まれていた「悲観的に、やや遅く」というジョージの指示が記されている。ジンジャー・ロジャーズ扮する女性郵便局長モリィ・グレイによって、第二幕、恋人どうしのよくある喧嘩のあとに歌われた。

[Bye Bye Blackbird]Bye Bye Blackbird

この曲は映画やミュージカルとは関係なく作られたが、ゆっくり静かにヒット曲としての道を歩んできたと言えそうだ。その原因はもしかしたらこの歌の単純でいてなにか深い意味が隠されているような、つまりその真意が捉えにくいような意味にあるのかもしれない。ヴァースのなかのブラック・バードとブルー・バードとの対比からは、前者は悪いものを後者は善いものを象徴しているらしいと判る。

[Come Rain or Come Shine]Come Rain or Come Shine

マーサー/アーレンの1946年のミュージカル【St. Louis Woman】に挿入された曲で、スタンダード曲らしい粋な雰囲気をもっている。歌詞もメロディも難しくはないが、コードが幾通りにも考えられる幅の広さのようなものをもっていて、歌っている人も多いが、ビル・エヴァンスのように独自のコードづけをして演奏している例もある。

[Crazy She Calls Me]Crazy She Calls Me

これはカール・スィグマンとボブ・ラッセルが’49年に書いた曲で、同年にビリー・ホリデイがデッカ Decca に吹き込んでいるので、多分彼女が最初にこれを取上げた歌手なのだろう。デッカの二枚組《The Billie Holiday Story》に入っている。だからなんといってもビリー・ホリデイの曲として、私には強い印象があるが、ナット・キング・コールも歌っているし、また’80年代に入ってからはリンダ・ロンシュタットの歌で若い人にも知られるようになった。

[Days of Wine and Roses]Days of Wine and Roses

’62年の同名の映画『Days of Wine and Roses』の主題歌で、ジョニー・マーサーとヘンリー・マンスィーニの手になる曲だ。アカデミー主題歌賞も取り大変有名になったが、ジャズ・ファンにはコード進行が取り組みやすかったからかもっぱらアドリブ素材として好まれ、とくに日本では歌詞はほぼ忘れられて演奏素材としてお馴染みの曲になった。