カテゴリー別アーカイブ: 第1巻

【研究】日米比較論([Wives and Lovers]についての考察)

この歌はなにかおかしく笑えてくるような歌詞で、われわれにも興味深いものだ。ただその内容は考えていくと、日本人にとって大きな問題を含んでいると言えるかもしれない。すなわち、日本人の女性は自分が家にいるとき、つまり亭主がそばにいてもだが、カーラーを巻く。

【研究】仮面と言葉([This Masquerade]についての考察)

仮面舞踏会の仮面 mask という言葉はラテン語の仮面 persona という概念が下敷きになっている。この persona という語から、のちの英語の〈個人〉を意味する person という語が派生したことから判るように、そこには個人、個性という意味も込められている。

【研究】歌のなかの様式性と現実性([Guess Who I Saw Today]についての考察)

こういう歌が日本人に好かれるかどうかはともかくとして、日本のジャズ歌手はこういう歌がうまく歌えないというのが現状ではないだろうか? 発音が依然として英米人に判るようなものになっていないことが一つだし、歌を歌うときの心構え、その精神が欧米と日本とでは未だに大きく違うということがもう一つである。

【研究】日米大衆音楽観の差

日本では巷に流れるヒット・ソングが県歌や国歌(アメリカの州は日本の県より国に近い)に採用されるなどということは、どうも起こりそうもない。

【研究】ブルースについてのABC

ブルースは黒人の音楽である。それも黒人奴隷の音楽であり、奴隷開放以後も事実上奴隷と変わらないような生活を強いられていた黒人たちの音楽である。

【研究】シナトラとポーターの関係

’50年代後半から’60年代にかけてフランク・シナトラは数かずの名唱を残していて、それはいわゆるのちのコルトレイン・ショックと似たような現象をジャズの歌の世界に巻き起こしたと言えるのではないだろうか?

【研究】ピューリタニズムと現代

[Anything Goes]のヴァースの意味は一見難しく見える。これはポーターがピューリタニズム(清教徒信仰)というものをやや批判的に見ているゆえの発言ともとれるし、そうではなく、現代社会とはピューリタニズムなど厭応なく踏みつぶして進んでいくのだという、むしろ社会批判の発言ともとれる。

[You Are Too Beautiful]You Are Too Beautiful

これはロジャーズ・アンド・ハートの1932年の曲で、’33年の映画『Hallelujah, I’m a Bum』(United Artists)に主題歌として使われた。そのなかではアル・ジョルソン Al Jolson がこれを歌っている。これはそれほど大きいヒットにはならなかったようで、のちに’53年8月にボブ・エヴァリィ Bob Ebberly が歌ったものがわずかに30位にチャート入りしただけだった。

[Yesterday]Yesterday

ビートルズの結成後、初期の大きなヒットの一つとなった曲だ。’65年6月に録音され、9月に発売されたが、その後これはジャズ歌手にも多く歌われ、ビートルズ・ファン以外の一般の人にもかなりよく知られるようになった。ポール・マッカートニーの作らしいが、それまですべてクレディットは二人の共作になっていたので、これもそうなった。

[Wives and Lovers]Wives and Lovers

‘63年にデイヴィド/バカラック組が書いた曲で、多くの人が歌ったが、ジャック・ジョーンズ Jack Jones のレコードが翌年のグラミー賞をもらった。これはまだ作詞曲の二人がそれほど有名にはなっていない初期のヒット作で、いくらかジャズっぽさが感じられる。というわけでジャズ歌手も結構とりあげている。