[God Bless’ the Child]God Bless’ the Child ビリー・ホリデイが作り歌った曲の一つで、アーサー・ハーゾグ・ジュニアが仕上げている。作ったのは資料によって’39年、’40年両様の記述があった。彼女の録音は’41年5月9日に行われ、’42年にコロンビア傘下のオウケイ Okeh から出て、チャートでは25位までいった。
[Good Morning Heartache]Good Morning Heartache これはアイリーン・ヒギンボサム作曲、アーヴィン・ドレイク作詞で、2人が’45年につくった曲だ。ダン・フィッシャーはプロデューサー、出版者で、権利に入りこんだだけで作詞曲には関係ないようだ。ビリー・ホリデイが最初にレコーディングし、また自分の持ち歌として得意にしていた。映画『ビリー・ホリデイ物語』が作られた’70年代半ばには、また多くのレコードが出されている。
[Guess Who I Saw Today]Guess Who I Saw Today これはマレイ・グランド、エリス・ボイドの二人が’52年に書いたもので、アーサ・キットらが出演したレヴュー【New Face of 1952】に挿入され、そのなかではジューン・キャロル June Carroll が歌った。計7本上演されたこのシリーズのなかではこの’52年版がもっとも成功し、同じキャストで’54年に映画化されている。二人の共作となっているが、実際はグランドの作曲、ボイドの作詞でつくられたようだ。
[Honeysuckle Rose]Honeysuckle Rose これはファツ・ワーラーとアンディ・ラザフの曲としてかなりよく知られている。’29年にハーレムのコニーズ・イン Connie’s Inn で行われたショウ【Load of Coal】で歌われた。コニーズ・インは当時コトン・クラブの次くらいに大きく有名なクラブで、早い時間は白人専用だったが、白人が帰った遅い時間には黒人にも解放し、ワーラーのほかエリントン、フレチャー・ヘンダーソン、エセル・ウォーターズなども出演していた。
[How About You]How About You ’42年の映画『Babes on Broadway』にラルフ・フリードとバートン・レインが書いた曲で、そのなかではジュディ・ガーランドとミッキー・ルーニーが歌った。MGMがガーランドの『Wizard of Oz オズの魔法使い』で大成功をおさめ、これがつづいて作った二作目ということになる。
[How Long Has This Been Going On?]How Long Has This Been Going On? この曲はガーシュウィン兄弟作で、最初は’27年のミュージカル【Funny Face】に挿入された。しかしこのミュージカルは最初は【Smarty うぬぼれ屋】という題でフィラデルフィアで上演され、ウィルミントンの木、金曜日の興行では客は200人足らずだったとアイラは回顧している。
[I Can’t Give You Anything But Love]I Can’t Give You Anything But Love ドロスィ・フィールズとジミー・マクヒューのコンビが書いた曲で、最初は’27年の【Harry Delmar’s Revels】に入れられた。そこではこの曲は大西洋横断飛行を成し遂げたリンドバーグ Charles Lindbergh への賛辞として[I Can’t Give You Anything but Love, Lindy]となっていたというが、デルマーがこれを嫌ってすぐに落としたらしい(ショウ自体が続かなかったという記録もあった)。
[I Could Have Danced All Night]I Could Have Danced All Night ラーナー/ロウのコンビが’56年のミューズィカル【My Fair Lady】のために書いたもので、ミューズィカルではジュリィ・アンドルーズが、映画ではオードリー・ヘプバーンが(マーニ・ニクソン Marni Nixon の吹き替えで)歌った。
[If I Were a Bell]If I Were a Bell フランク・レッサーが’50年のミュージカル【Guys and Dolls】に曲と詩を書いたもので、オリジナル・キャストでは修道女セアラ役のイザベル・ビグリー Isabel Bigley が歌った。博打打ちのスカイはロバート・アルダ Robert Alda が演じたが、彼はなんといっても’45年の映画『Rhapsody in Blue アメリカ交響楽』でジョージ・ガーシュウィンの役を演じたのが見事に当った。
[Impossible Dream, The]The Impossible Dream これは’60、’70年代に大変有名になった、’65年のミュージカル【ラ・マンチャの男】の主題歌である。世界40カ国で翻訳上演されていて、もちろん日本版も上演されているから、メロディは聞いたことがある人も多いだろう。とにかく’66年の春ごろはアメリカではこれが大変なヒットだった。ラジオでも毎日毎日何度も流されていた。