[It’s a Sin to Tell a Lie]It’s a Sin to Tell a Lie ビリー・メイヒューが’36年につくった曲で、これは日本人でも知らない人がいないくらいに有名なスタンダード曲となった。しかしこのメイヒューはこの曲ばったりという人で、他にヒット曲はおろか一つも作品がなく、この人の素性、経歴などは1889年生れ’51年没ということ以外はまったく判らなかった。
[Ja-Da]Ja-Da ボブ・カールトンが’18年につくり、ウクレレがうまくで〝ウクレレ・アイク〞というあだ名で呼ばれていた歌手のクリフ・エドワーズ Cliff Edwards がシカゴのヴォードヴィルではやらせた曲で、’20年代初めにはやった。
[Last Time I Saw Paris, The]The Last Time I Saw Paris オスカー・ハマースタイン二世とジェロウム・カーンの’40年のヒット曲で、映画やミュージカルとは関係なくつくられている。ハマースタインは子供のころからパリをよく知っていてパリが大好きだったので、ドイツ軍のパリ占領(1940年6月)に心を痛め、駆られるようにしてこの詩を書いたという。
[Little Brown Jug]Little Brown Jug この曲はアメリカの俗謡、伝承歌謡といったところだが、1869年にジョウゼフ・E・ウィナー Joseph E. Winner という人がR・A・イーストバーン R. A. Eastburn なる偽名で作詞作曲した、と《歌曲大辞典》やイーウェンの《American Popular Songs》には書かれている。
[Liza]Liza ガス・カーンとガーシュウィン兄弟がフローレンズ・ズィーグフェルド制作の’29年のミュージカル【Show Girl】に書いた曲で、舞台では当時名前が売れつつあったデューク・エリントン楽団が伴奏し、ニック・ルーカス Nick Lucas がこれを歌いルビィ・キーラー Ruby Keeler が踊った。
[Mame]Mame ジェリー・ハーマンが’64年に【Hello Dolly!】で成功したあと、’66年にその続編のような形でだした【Mame】の主題歌である。主人公のメイム役には最初メアリィ・マーティンが想定されていたが、アンジェラ・ランズベリィ Angela Lansbury が演じて成功した。
[Manhattan]Manhattan ロジャーズ/ハートの書いた最初のヒット曲で、’25年のレヴュー【The Garrick Gaieties】のなかでジューン・コクレイン June Cockrane とスターリング・ホロウェイ Sterling Holloway が歌った。
[My Ideal]My Ideal ロビン、ホワイティング、チェイスの三人で書かれ、’30年のモーリス・シェヴァリエ Maurice Chevalier 主演のミュージカル映画『Playboy of Paris』に挿入された曲で、なかでシェヴァリエが歌った。
[My Reverie]My Reverie ラリー・クリントンが、1890年に書かれたが1904年まで発表されなかったというクロード・ドビュッスィの曲[Reverie]を土台にして歌詞をつけた曲で、自己のバンドでつくった’38年のレコードがヒットした。
[No More Blues (Chega de Saudade)]No More Blues (Chega de Saudade) ヴィニシウス・ジ・モライスとアントニオ・カルロス・ジョビンのコンビが’58年に書いた曲で、有名になってきたのはずっとあとだが’63年に同じ二人によって書かれた[Garota de Ipanema イパネマの娘]などよりも五年も前に書かれている。