電子版オリジナル」カテゴリーアーカイブ

[You’re Nobody ’Til Somebody Loves You]You’re Nobody ’Til Somebody Loves You

トロンボーン奏者でアレンジャーとしてバンド・リーダーとして活躍したラス・モーガンが1944年に書いた曲で、ラリー・ストック、ジェイムズ・キャヴァノウとの共作になっている。だがその時はほとんど売れず、2年後の’46年にモーガンのオーケストラのレコードがヒット・チャートで14位まで昇って、いくらかヒットした。

[Where Can I Go without You]Where Can I Go without You

ペギー・リーが作詞し、ヴィクター・ヤングが作曲して、1952年に発表された曲である。ミュージカル、映画とは関係がない。チャートでは’54年3月にペギー・リーの歌で28位に入っただけだったが、ナット・キング・コールの歌の方が有名になり、またメル・トーメも歌っている。

[Temptation]Temptation

アーサー・フリード作詞、ネイスィオウ・ハーブ・ブラウン作曲で、1933年の映画『Going Hollywood』(MGM)に入れられた曲である。そこではビング・クロズビィが歌い、そのレコードはチャートで’33年12月末から翌年初めにかけて3位まで上がり、ファーディ・グロウフェ楽団のレコードも同時期に19位までいった。

[Please Be Kind]Please Be Kind

サミー・カーンとソール・チャップリンが1938年に書いた曲で、ミュージカルや映画とは関係ない。カーンとチャップリンは’34年ごろから一緒に曲を書きはじめ、’35年からヴァイタフォン Vitaphone という、今ならミュージック・ヴィデオのような短編音楽フィルムを作っていた会社に曲を書いていた。

[Indian Love Call]Indian Love Call

オットー・ハーバックとオスカー・ハマースタイン二世が作詞を担当し、ルドルフ・フリムルが作曲したオペレッタ【Rose-Marie】のなかに入れられた曲で、1924年の作品だ。この【Rose-Marie】は当時はたいへんなヒット・オペレッタで、ヨーロッパ色の濃いミュージカルのいわば最後の時代における最後のヒットの一つだった。

【研究】詩と歌詞

ジャズ詩大全シリーズを書きはじめてしばらくしたあるとき、私は一読者から投書をもらった。それはこの本のなかで扱っている作詞家たちのことを、私がところによっては〝詩人〞と書き、また彼らの出した出版物を〝詩集〞と言及したことに立腹しての投書で、純粋に文学的な詩人やその詩集とジャズのスタンダード曲の歌詞やその歌詞集とを一緒くたに同じ名で呼ぶのはけしからんという内容のものだった。