[Bye Bye Blues]Bye Bye Blues ハム、ベネット、ロウン、グレイの四人の作になる’30年の曲で、映画、ミュージカルとは関係ない。これはチャールズ・F・ラミス Charles F. Lummis 作詞、ジェイムズ・H・ロジャーズ James H. Rogers 作曲の’12年の曲[The Star]に基づいて書かれたと《歌曲大辞典》にはあるが、その曲についても、そしてどこがどう基づいて書かれたのかについても調べえなかった。
[Baltimore Oriole]Baltimore Oriole ホウギィ・カーマイケル作曲、ポール・フランスィス・ウェブスター作詞の’42年の曲で、映画やミュージカルとは直接関係ない曲だ。が二年後に、ヘミングウェイ原作でカーマイケル自身も出演した映画『To Have and Have Not』(Warner, ’45)のサウンド・トラックに、インストゥルメンタル曲として使用された。
[April Showers]April Showers デスィルヴァ作詞、スィルヴァース作曲で’21年のアル・ジョルソンのミュージカル【Bombo】に使われた曲で、ジョルソンの得意のナンバーになった。
[All Through the Night]All Through the Night コール・ポーターがエセル・マーマン、ヴィクター・ムーア Victor Moore らの出演するミュージカル【Anything Goes】に書いた曲で、’34年の作品である。
[Who Cares?]Who Cares? ジョージとアイラのガーシュウィン兄弟が’31年のミュージカル【Of Thee I Sing】に書いた曲で、そのなかではウィリアム・ギャクストンとロイス・モラン Lois Moran が歌った。
[When Lights Are Low]When Lights Are Low スペンサー・ウィリアムズとベニー・カーターが’36年につくった曲で、同年英国の歌手エリザベス・ウェルチ Elizabeth Welch が吹きこんだレコードが最初のものだ。
[Until the Real Thing Comes Along]Until the Real Thing Comes Along 普通カーン、チャップリン組の作として言及されるが、上記のようにホリナー、ニコルズ、フリーマンも加えて五人の作品として’36年につくられている。
[Twelfth Street Rag]Twelfth Street Rag ラグと名にあるように、’14年にユーデイ・L・ボウマンによって書かれたラグタイム曲である。デイヴィド・イーウェンはクラシック(古典)と呼んでいるが、まさに古典ゆえだろうか、書物によってそのつくられた年代が同じでなく、’11年、’09年などと書いてあるものもあった。
[’Tis Autumn]’Tis Autumn ヘンリィ・ニーモが’41年に作った曲で、ミュージカルや映画とは関係なくつくられている。スタンダード曲のなかでもあまり目立たない地味な曲だが、面白い楽しい歌詞で通には好まれている歌だ。
[Stormy Weather]Stormy Weather ケーラーとアーレンが’33年の【Cotton Club Parade】に書いた曲で、エセル・ウォーターズが歌った。アーレンはこれを最初キャブ・キャロウェイの歌として書いたが、ケーラーが書いた詞はキャロウェイ向きではなく、結局ウォーターズの曲となった。