第2巻」カテゴリーアーカイブ

[Mona Lisa]Mona Lisa

リヴィングストン/エヴァンズのコンビが二度目のアカデミィ主題歌賞をもらった曲で、アラン・ラド主演の1950年の映画『Captain Carey, U.S.A.』に使われた。がなんといっても、ナト・キング・コウルの歌で300万枚売れたことがこの曲のイメージを決定づけた。’50年初めに300万枚という数は本当に莫大だったろう。

[My Buddy]My Buddy

ガス・カーンとウォルター・ドナルドソンのコンビで1922年に作られた曲で、映画やショウには関係なく出された。《The American Song Book: The Tin Pan Alley Era》(Philip Furia and Laurie Patterson, Oxford University Press, 2016)には「ドナルドソンの許嫁が亡くなり、彼女のことを想ってその悲しみを彼が曲にした」とある。

[My Foolish Heart]My Foolish Heart

ダナ・アンドルーズ Dana Andrews とスーザン・ヘイワード Susan Hayward 主演の1949年の映画『My Foolish Heart』の主題歌で、ヴィクター・ヤング作曲とネド・ワシントン作詞で作られた。原作はJ・D・サリンジャー J. D. Salinger の’48年の短編《コネティカットのウィギリー叔父 Uncle Wiggily in Connecticut》で、《ライ麦畑で捕まえて The Catcher in the Rye》など彼のほかの作品は映画化による改変が激しく、〝原作者から「映画化と称する」ことへの承認を得られず、サリンジャー作品の映画化はこれだけだ〞という指摘もあったほどだ。

[Nightingale Sang in Berkeley Square, A]A Nightingale Sang in Berkeley Square

エリク・マシュウィツとマニング・シャーウィンがロンドンで成功させた1940年のレヴュー【New Faces】に挿入された曲で、イギリス製の曲だがジャズ・スタンダード曲に入れていいと思う。地味だが歌手やミュージシャンになかなか人気のある曲である。

[Our Day Will Come]Our Day Will Come

ボブ・ヒリアード作詞、モート・ガーソン作曲によって1962年に作られ、同年12月にルビーとロウマンティクス Ruby & The Romantics の歌で出て、それが翌年3月ヒットして1位まで昇った。二人は穏やかな曲としてこれを考えていて、レコード会社 Kapp のA&R部長アル・スタントン Al Stanton が、もしこれがダメだったらジャック・ジョーンズに歌わせると約束したので、この新しいR&Bグループ/ルビーとロウマンティクスの録音を許可したのだ。

[Perdido (Lost)]Perdido (Lost)

これはデューク・エリントン楽団に在籍していたトロンボーンのファン・ティゾルが1941年に書いた曲で、12月3日にデューク・エリントンによる最初の録音がなされている。しかし翌’42年1月21日のヴィクター録音がエリントン楽団によるオリジナル盤とされているようだ。歌詞は2年後にハリー・レングズフェルダーとアーヴィン・ドレイクがつけている。

[Polka Dots and Moonbeams]Polka Dots and Moonbeams

これはバークとヴァン・ヒューゼンが、映画や舞台には関係なく書いた曲で、トミー・ドースィ Tommy Dorsey 楽団が、歌はフランク・スィナトラ Frank Sinatra で吹き込んだ1940年のレコードがヒットした。この頃二人はビング・クロズビーとその映画のために書いていて、非常に成功していたので、なんと〝Gold Dust Twins 金粉の双子〞という俗称をもらっていた。それがこの曲と前年の[Imagination]のみ、クロズビーとも映画とも関係なく、トミー・ドースィ楽団のために書いたものだった。

[Song for You, A]A Song for You

リアン・ラッセルの’70年の作品で、当時デイトをしていた歌手のリタ・クーリジ Rita Coolidge のために、彼はこの曲を書いたという。ラッセルがピアニストとして鳴らしていてクーリジが歌手として出発したころの’60年代に、二人は会い始めた。ラッセルは、ジョウ・コカー Joe Cocker が’69年に録音した曲、[Delta Lady]も彼女のために書いている。だから彼女はこの曲でまたラセルの詩想にのったわけで、彼は二人の深い関係について歌いあげている。

[Speak Low]Speak Low

カート・ワイルとオグデン・ナシュの書いた1943年のミューズィカル【One Touch of Venus ヴィーナスの接吻】に挿入された曲で、舞台ではメアリー・マーティン Mary Martin とケニー・ベイカー Kenny Baker が歌った。’44年にガイ・ロンバード Guy Lombardo の楽団でビリー・リーチ Billy Leach 歌のレコードがヒットした。また’48年の映画化のときにも使われ、ことのきはエイヴァ・ガードナー Ava Gardner の吹き替えでアイリーン・ウィルソン Eileen Wilson が歌っている。以後非常に多くの人によって歌われ、まさにジャズ・スタンダードになったと言えるだろう。