カテゴリー別アーカイブ: 第19巻

【研究】ワイルダーのロジャーズ論

アレック・ワイルダーの作曲家に対する批判はいつも辛辣だ。だがもちろん褒めるときも単刀直入で言葉に濁りがない。彼のリチャード・ロジャーズ論をその著書《American Popular Song:The Great Innovators 1900-1950》(Oxford University Press, 1972)からかいつまんで紹介しよう。

[Alice in Wonderland]Alice in Wonderland

ボブ・ヒリアード作詞、サミー・フェイン作曲で、1951年のウォルト・ディズニーの漫画映画『不思議の国のアリス Alice in Wonderland 』に主題歌として使われた曲だ。あまり大きなヒットとはならなかったが、ジャズ界でビル・エヴァンズがスコット・ラファロと吹きこんだ演奏が出て、一挙にスタンダード曲になったと言えそうだ。

[Affair to Remember, An]An Affair to Remember

この曲はハリー・ウォレンの作曲、ハロルド・アダムソンとリーオ・マケアリィ作詞で、1957年の同名の映画『An Affair to Remember』(Paramount)の主題歌として使われた。主演がケイリィ・グラント、デボラ・カー、監督、脚本がマケアリィで、マケアリィはたんにクレディットに入っただけかもしれない。

[Besame Mucho]Besame Mucho

ラテン曲として知らぬ人がいないくらいに知られた有名な曲で、クレディットは1943年になっている。その元は’41年にメキシコで制作されたミュージカルに、自身女優として出演していたコンスエロ・ヴェラスケスが詞曲とも書いたものだ。

[Bess You Is My Woman]Bess You Is My Woman

ガーシュウィン兄弟とデュボウス・ヘイワードが1935年につくった不滅のフォーク・オペラ【Porgy and Bess】に使われた曲である。合計三幕の舞台のなかの第二幕の最初の場面で、ポーギィとベスが歌う愛のデュエット曲で、そこではトッド・ダンカンとアン・ブラウンが歌った。

[Coquette]Coquette

ジョン・W・グリーン(あるいはジョニー・グリーン)が書いてガス・カーンが作詞した1928年の曲で、ガイ・ロンバードとロイアル・カナディアンズのレコードがヒットして売れた。グリーンは前年の’27年に、まだハーヴァード大学在学中にこの曲を書いたという。

[Ev’ry Day I Have the Blues]Ev’ry Day I Have the Blues

非常によく知られたブルースで、メンフィス・スリムことピーター・チャットマンが1950年につくった曲である。彼よりも古いブルース畑の先輩カウ・カウ・ダヴェンポートがやはり〝メンフィス・スリム〞と名乗っていたから、混同しやすいが別人だ。