[Day in, Day Out]Day in, Day Out

【解説】──ビッグ・バンドのレパートリィ

ルーブ・ブルームが作曲し、ジョニー・マーサーが作詞した’39年の曲で、映画やミュージカルとは関係ない作品だ。この題名は[Day in ─ Day Out]と綴られているものもある。

ブルーム(’02-’76)はヴォードヴィルで歌手の伴奏をするピアニストだったが’28年にヴィクターのソング・コンテストで優勝してから曲づくりを始め、並行してバンドよりも主にレコーディング・ピアニストとして活躍した。ピアノ・ソロや自己のコンボでのレコードも多いが、歌手の伴奏やソロ奏者の伴奏レコードも多く、たとえば彼が伴奏したギタリストのエディ・ラング Eddie Lang のレコードはかなりよく売れた。また編曲の仕事もやっていて、そういう関係で、これは’40年代にトミー・ドースィ、アーティ・ショー、ボブ・クロズビィなどのビッグ・バンドのレパートリィとしてとても人気のある曲になった。これが歌としてスタンダード曲になってきたのは、それからもう少しあとのことである。

ブルームは’39年にこの曲と[Don’t Worry ’Bout Me]を、’40年に[Fools Rush In](曲はマーサー)を書いていて、この時期に創作欲旺盛だったようだが、マーサーも’40年前後の数年間は非常に多くの佳曲を書きまくっていて、[Goody, Goody](’36)、[Jeepers, Creepers](’37)、[I Thought About You](’37)、[Too Marvelous for Words](’39)、[Blues in the Night](’41)、[Dearly Beloved](’42)、[That Old Black Magic](’42)、[Tangerine](’42)、[My Shining Hour](’43)など、スタンダード曲となった作品がじつに多い。なおブルームについては[Give Me the Simple Life]も参照されたし。


【補遺】──空を飛ぶようなメロディ

アレック・ワイルダーは、’39年にある歌手のためにアレンジするようこの曲を手渡されたとき、詞曲とも素晴らしく、大変驚いたと語っている。16+16+24という構成で56小節の曲だが、出だしの6度の音A(キーはC)がなにか安定感があり、メロディがくり返しこのAの音に戻るので彼はこれをホウム・ベイスと呼んでいる。そしてメロディは空を飛ふようだとも形容している。

カーメン・マクレエは間奏をドラム・ソロのみにして、テンポも速く、全体にすっきりと短めに仕上げている。マーリィナ・ショーは2コーラス歌いっぱなしだが、歌詞以外の言葉をいっぱい挿入し、じつに豪快にスウィングしている。エラは1コーラスと半分(後半の24小節)を歌いっぱなして終っているが、エンディングでは[Moonlight Becomes You]のメロディを引用している’39年のアーティ・ショー盤は、クラリネットのソロのあとヘレン・フォレストの歌が入っている。またビリー・ホリデイの’57年録音のものは、ゆったりとしたスウィング・テンポで1コーラス歌ったあと、ハリー・エディソン(32)、バーニィ・ケッセル(24)、ジミー・ロウルズ(32)、べン・ウェブスター(24)と計2コーラスのアドリブが入り、また1コーラス歌っていて、これは判りやすく気持ちのいい歌になっている。