これはアーノウ・ラペーとルー・ポラックのコンビが1927年に映画『Seventh Heaven』に書いた曲である。その映画で〝名前不詳の歌手によって歌われた〞と書く資料もあったが、この映画はサイレントでこの指摘はたぶん間違いだろう。彼らは前年の’26年に初めてサイレント映画に書いてヒットさせた［Charmaine］につづき、やはり映画の中ではなくいわば〝外〞で、この主題歌を書いたのだ。これは以後映画に主題歌を書くという流行を作りあげていく。〝名前不詳の歌手によって歌われた〞という件が間違いと書いたが、こういう主題歌はヒットすると、映画館でオーケストラや歌手によって映画の上映中にくり返し演奏され歌われたから、そのことを意味しているのかもしれない。そして〝外〞で書かれた主題歌がヒットすれば、映画にもプラスになるので、映画はこういう主題歌を歓迎していくようになる…

── 本文より