[Speak Low]の解釈について更新しました

[Speak Low]はオグデン・ナシュ Ogden Nash作詞、カート・ワイル Kurt Weill作曲で1943にミューズィカル【One Touch of Venus ヴィーナスの接吻】に挿入された曲です。舞台ではメアリー・マーティンMary Martinとケニー・ベイカーKenny Bakerが歌いました。物語りは〈マイ・フェア・レイディMy Fair Lady〉と同じくギリシャ神話〈ピグマリオンPygmalion〉(本当の発音はピグメイリアン)に基づいていて、これはトーマス・ガスリーThomas Anstey Guthrie(1856-’34)が F. Ansteyという筆名で1885年に書いた小説〈色づいたヴィーナス The Tinted Venus〉という原作から作られたミューズィカルです。バーナード・ショーの原作〈Pygmalion〉(’13)と〈My Fair Lady〉のミューズィカル(’56)のいずれよりも(映画は’64年)、こちらの原作、ミューズィカルの方が早かったんですね。

ところでこの曲はもともとは17世紀初めに書かれたシェイクスピアの喜劇〈から騒ぎMuch Ado About Nothing〉のセリフ Speak low, if you speak, love を引用しているので、それを知っている人には印象深い曲でしょう。ナシュは当時アメリカではユーモア詩人として通っていて、曲の歌詞はまったく書いていなく、ジャズ・スタンダード曲としてはまさにこれ1曲しかないです。しかも〈から騒ぎ〉からのSpeak low, if you speak, loveという行を芯にすべく、ナシュに提案したのはカート・ワイルだったそうで、そのせいかどうか印象の濃い、ヨーロッパ的な香り漂う格調の高い歌詞になってますね。

Speak low when you speak, love

問題はこの1行で、困ったことに日本の出版物やネットでは、たいていloveの前のコンマが抜けているんです。で当然ながら訳は〈愛を語る時は声を低くして〉とたいていはなっています。僕は今回外国のサイトを覗いていて、〈, love〉とコンマが入っていて、おかしいな、間違ってるな、なんて思って、あれこれ調べていたら、なんとコンマがない方が間違いだと気づいて、愕然としました。じつは僕も何十年とこの間違いを犯してきたわけです。今回これに気づいて直せて本当に良かったです。この曲の題名でもあり、1行目でもあり、何度も出てくる重要な歌詞なので、この解釈はわれわれにとって大きな意味を持ちますね。間もなくアップされますので、どうぞ、みなさんもこの1行の解釈について、更新版をとくと読んで一緒に考えてください。

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