[New York State of Mind]New York State of Mind ビリー・ジョエルが1975年につくり、’76年5月に発表したアルバム《Turnstiles》に入れられた曲である(Turnstiles は地下鉄などの回転式改札)。彼は’71年に最初のアルバム《Cold Spring》を出した(’72年という記述もあった)が、まだ彼の曲はあまりヒットせず、そのあと’73年に生活苦で仕方なく西海岸に行った。
[Old Folks]Old Folks ウィラード・ロビソンの1938年の曲で、ミュージカル、映画とは関係ない。スティーヴン・フォスターの[Old Folks at Home](邦題は[スワニー川])は有名だが、もちろんこれは別の曲でそれに較べればはるかに地味なものの、歌よりもジャズ・ミュージシャンに多く採りあげられて案外人気のある曲である。
[Softly as in a Morning Sunrise]Softly as in a Morning Sunrise オスカー・ハマースタイン二世作詞、スィグマンド・ロンバーグ作曲で、1928年のオペレッタ【The New Moon】に入れられた曲で、そこではウィリアム・オニール William O’Neal が歌った。
[Something Cool]Something Cool 作曲家のビリー・バーンズが『欲望という名の電車 Streetcar Named Desire』で主演したブランチ・デュボイス Blanche DuBois のために1953年に書いた曲である。そして翌’54年にジューン・クリスティがピート・ルゴロ編曲で歌って大きくヒットした。
[Something to Live For]Something to Live For デューク・エリントンとビリー・ストレイホーンの1939年の作品で、共作ということになっている。彼らの作品はどちらが書いたか判らないものも多いが、この曲は80パーセントほどはストレイホーンによると考えていい。
[Sound of Music]Sound of Music ロジャーズ・アンド・ハマースタインのコンビの曲で、1959年の11月16日に始まったブロードウェイ・ミュージカル【The Sound of Music】の主題歌として使われた。そのなかでは主演のメアリィ・マーティンがこれを歌った。
[Stairway to the Stars, A]A Stairway to the Stars マット・マルネックとフランク・スィニョレリのコンビの曲で、のちにミッチェル・パリッシュが歌詞をつけて1939年にできあがった。マルネックとスィニョレリはポール・ホワイトマン楽団のメンバーで、最初これは[Park Avenue Fantasy]というインストゥルメンタルとして完成し、ホワイトマン楽団が演奏した。
[Straighten Up and Fly Right]Straighten Up and Fly Right ナット・キング・コールがまだ無名時代に書いたもので、彼の出世の発端となった曲だ。彼のこの曲のレコードは1943年11月に出ているが、それまですでに演奏していたというからもう少し前に書かれたものだろう。
[Then I’ll Be Tired of You]Then I’ll Be Tired of You E・Y・ハーバーグ作詞、アーサー・シュウォーツ作曲の1934年の曲である。この曲はミュージカル、映画に関係なくつくられたようだ。ミュージカル用につくられ没になったとも考えられるが、いずれにしろ資料がほとんど見つからなかった。’34年9月の初めにフレディ・マーティン楽団のレコードがチャートの12位に入り、末にファッツ・ワーラーのレコードが9位に入ってヒットした。
[Twisted]Twisted この曲はテナーサックス奏者のウォーデル・グレイがつくったインストゥルメンタルのブルースである。1949年に彼がアル・ヘイグ Al Haig、トミー・ポッター Tommy Potter、ロイ・ヘインズ Roy Haynes らとともにレコーディングしたのが最初の録音で、それからのちにアニィ・ロスがメロディだけでなくグレイのアドリブにまで歌詞をつけて歌い、いわばヴォウカリーズ vocalise 曲として完成させた。