[All the Way]All the Way これはカーンとヴァン・ヒューゼンの二人が’57年の映画『The Joker is Wild 抱擁』に書いた曲で、そのなかで主演したフランク・シナトラが歌った。そしてアカデミィ主題歌賞をもらい、シナトラのレコードはミリオン・セラーとなった。
[Amapola]Amapola これは元もとジョセフ・M・ラカーレという人がつくったスペインの曲で、スペイン語の歌詞がついていたが、’24年にアメリカで歌詞なしでヒットした。ラカーレは英詩をつけていたがそれはほとんど歌われず、メロディのみのヒットだった。
[At Sundown]At Sundown これはヒット曲を多く書いていたウォルター・ドナルドソンが、’27年に歌詞、曲とも自分で書いた最初の作品である。そしてウクレレ・アイクことクリフ・エドワーズがパレス劇場で歌って披露した。
[Battle Hymn of the Republic]Battle Hymn of the Republic この曲はトラディショナルと今は考えてしまっていいかと思うが、元もとの成立過程は複雑で、不詳な点も少なからずある。歌詞は詩人で奴隷制に反対していた社会運動家のジュリア・ウォード・ハウ夫人 Julia Ward Howe (1819-1910)によって書かれたが、この曲に関して唯一確かなことはこれだけである。
[Black Coffee]Black Coffee これはソニー・バークの書いた曲にポール・フランスィス・ウェブスターが作詞した’48年の作品で、映画、ミュージカルとは関係ない。ヒット曲と言えるほどではなかったが、時代とともにスタンダード曲になってきた曲である。
[Can’t Help Lovin’ Dat Man]Can’t Help Lovin’ Dat Man これはハマースタイン二世とジェロウム・カーンがミュージカル【Show Boat】に書いた曲で、’27年の有名な作品だ。なかではヘレン・モーガン、ノーマ・テリス Norma Terris、ハワード・マーシュ Howard Marsh らが歌った。
[Charleston]Charleston これはセスィル・マックとジェイムズ・P・ジョンソンが’23年の黒人ばかりのレヴュー【Runnin Wild】に書いた曲である。そのなかでは黒人、インディアン、白人の混血でまだ15歳のエリザベス・ウェルチが歌い、彼女もこれで脚光を浴びることになった。
[Crazy Rhythm]Crazy Rhythm これはアーヴィング・スィーザーが作詞し、ジョウゼフ・マイヤーとロジャー・ウルフ・カーンの二人が作曲して、’28年にベン・バーニィのオーケストラのために書いた曲である。そして同年のミュージカル【Here’s Howe】に使用されたが、このミュージカルは71回しかつづかず失敗作だった。
[Day Dream]Day Dream これはビリー・ストレイホーン、ジョン・ラトゥーシェ、デューク・エリントン三者の’40年の作品である。がストレイホーンが作曲、ラトゥーシェが作詞し、エリントンは名前だけ入ったようだ。ただしラトゥーシェの名がクレディットから落ちている例もあった。
[Dindi]Dindi これはアントニオ・カルロス・ジョビンがボサノヴァ創成期に活躍した歌手スィルヴィア・テリス Sylvia Telles(’35-’66)に捧げた曲で、’65年の作品である。ジンジ Dindi とはその彼女の愛称で、その名はブラジルではスィルヴィーニャとも呼ばれる。